新しい創傷治療:BBS
のような非科学的な記載は,例えば毎日尿素軟膏を使いながら暮らしている魚鱗癬患者さん達に,全く不要な不安と恐怖を与えることにもなると思います。夏井先生が尿素軟膏を嫌ってらっしゃるのは分かるのですが,感情的ではない,科学的な記載をされることを望みます。
夏井先生が閉鎖療法を紹介され始めた頃は,経験症例や過去の文献も引用しながら,科学的な推論で消毒が不要であることや,閉鎖療法が有用であることを主張されており,納得できる内容だったのですが,何だか最近の夏井先生は,ニューウエイズの宣伝ビデオ(極端な動物実験で恐怖をあおって自社製品を売る)のようになってきているような感じがします。
おか@在宅ラップ医です。
今回の実験で足りなかったとすれば、コントロールアームとして、ワセリン塗布にてODTした部分があればよかったのでしょうか?もちろん、さらに乾燥放置した部分と10,20%尿素クリームを塗布しODTしない部分(繰り返して塗るとか)も作って比較するとよかったのかな。夏井先生の皮膚がますますボロボロになっちゃいますね。
>これは,閉鎖したために,感染を起こしているのではないでしょうか(クリーム剤のODTではよく知られた副作用です)。
閉鎖したためクリーム剤の皮膚障害作用がより強く出たのでは?感染ではなく接触皮膚炎ではないでしょうか。
ウレパールクリームに限らずクリーム基材のものは正常皮膚にしか塗っ� �はいけないですが、正常皮膚でもODTしちゃうと、ここまでやられてしまうという結論の方が自然だと思います。凡てのクリーム剤も、夏井先生流にいうならば「この世に存在しない方がよい薬剤」ということになるかと。もちろん尿素の害はいわずもがなですが、ワセリンと、尿素含有ワセリン基材の軟膏(ってあるのか?)でODTして比べてみればさらに害が明らかになるかもしれませんね。
魚鱗癬は角質脱落遅延による角質肥厚が本体なので、正常な皮膚ではなく、尿素剤(クリームならなおさら)により角質をそぎ落としてやるイメージですね。逆に言うと、魚鱗癬の肥厚角質をそぎ落とせるくらい強烈なものを正常皮膚に使うとどうなるか。いわずもがなです。
先日、近隣の大学Hpで第一回在宅褥瘡セミナー(褥瘡学会認定関連デス)なるものが開かれて顔を出してきました。内容はご想像通りのひどいものでしたが、大学HpのWOCナースが「在宅患者褥瘡予防・皮膚のケア」という題で講演されました。殿部周辺皮膚の保湿が重要だというのはまだ許せる(ほんとは許せない。重要なのは保皮脂でしょう)のですが、そのために何とウレパー○を含む尿素含有クリームを勧めていたので、さすがに頭にきました。講演終了後に発言する時間があったのでボロカスに、いやいや紳士的に(笑)注意をしてあげましたが、WOCナースは何のことやらと、きょとんとしていました。
夏井先生の最近の論調は、確かに結果から帰納的に結論を引き� �すというよりは断定的な論調で書かれていることが多くなっている印象はあります。しかし理論の部分はこれまでに散々ご講演やHPでもおっしゃってこられたので、もう十分なのでは。それよりやはり一般の方、実地医家へのメッセージ性や啓蒙をますます強めてらっしゃるのだろうと思っています(夏井先生、違っていたらすいません)。
おか@在宅ラップ医先生
コメントありがとうございます。
>閉鎖したためクリーム剤の皮膚障害作用がより強く出たのでは?感染ではなく接触皮膚炎ではないでしょうか。
この皮疹から,接触皮膚炎をお考えになった理由は何でしょうか。根拠をお聞かせいただけましたら勉強になります。
私が接触皮膚炎を否定して,impetigo を考えた根拠を書きますと,
- アレルギー性接触皮膚炎ではない根拠
アレルギー性接触皮膚炎の初期変化は真皮上層のリンパ球浸潤で,それに引き続いて上皮細胞の細胞間浮腫が起き,さらに進むと水疱を生じます。提示された写真のような水疱(あるいは,水疱のやぶれた小びらん)を生じるのであれば,リンパ球浸潤にとなう紅斑がもっと回りにあるはずですし,漿液性丘疹も混じてみられるはずです。 - 一次刺激性接触皮膚炎ではない根拠
一次刺激性であれば,同じような刺激が面として加わっているので,生じてくる病変は,提示された写真のような,きれいな単発の小びらんと回りの紅斑という所見にはならないはずです。 - impetigo を考えた理由
3/17 の左の写真を見ますと,炎症の少ない小水疱が見られます(ちょっと暗くてはっきりないのですが)。おそらく,これが初期病変に近い病変で,この部分で黄色ブドウ球菌がコロニーとして増殖しているのではないかと考えました。そして,水疱が破れて,他の写真のような小びらんと周囲の紅斑を生じたのではないかと考えました。
Terry先生
いえいえ、一内科医の私には、専門医の先生に申し上げられるほどの皮膚病理的知識はございませんので、ぱっと見感覚で、くらいにしかいえないのですが..
ただ、皮膚像や病理的にはimpetigoの可能性も否定はできないのでしょうが、どうもimpetigoというからには「表皮剥脱毒素(ET)を有する黄色ブ菌の角層への直接感染により、浅い透明な水疱が形成される。水疱は容易に破れてびらんとなり、水疱内に存在する多数の黄色ブ菌が近隣および遠隔部位に"とびひ"して次々に伝染する。時間とともに炎症症状を伴ってくる」的な肉眼像がないとそれらしくはないな〜と思った訳です。
素人の知識・考えで大変恐縮ですが、ODTによっておこるデメリットとし て私が思いつくのは、周辺皮膚の浸軟、さらに皮膚排泄機能抑制による汗疹、さらに分泌物やそれらが変化した(常在菌による作用もあり?)物質によるかぶれ(接触皮膚炎)、そして皮膚真菌症、そしてさらに拡大するとimpetigo(膿痂疹)、ってな具合で考えております。頻度もこの順で多いかと。(ちなみに褥創のラップ療法はOWTですが、仙骨部などでラップを貼りっぱなしにしているとほぼODTになってしまうようで、上記のデメリットが順番に出る。私はラップ原法は行っていません)
ということで、このなかから考えると、写真の皮膚病変はimpetigoというよりは接触皮膚炎かな、くらいに考えました。しかし肉眼・病理からどうだといわれると先生に反論する知識はございません。
やはりワセリンと尿素クリームでODTをや� ��て比較してみることが一番ですね
それだけ病態を理解していらっしゃるのでしたら,教科書的な像を示す前の impetigo の初期像がどのようなものか,考えてみると想像がつく様になると思います。
>写真の皮膚病変はimpetigoというよりは接触皮膚炎かな、くらいに考えました。
大恐慌時の疾患による乳児死亡率、
それはそれでかまわないと思いますが,そこから先に推論することは科学の世界では許されないと思います。「〜くらいに考えた」ことから,「正常皮膚でも ODTしちゃうと、ここまでやられてしまうという結論の方が自然」と結論してしまうことは,消毒原理主義の人が,「傷が痛むのは,傷で黄色ぶどう球菌が増殖しているからだ」といっているレベルと何ら変わらないことになってしまうと思います。
私は医学は科学でなければならないと思っており,科学的に不適切な推論で結論を出すことは避けようと,常に自らを戒めています。
Terry先生
>まず,尿素クリームの外用方法が,通常使われる方法ではなく,閉鎖という特殊な状態で使用されています。
この状態は、内服薬・注射薬でいうところの、過剰投与もしくは極量を越えた使用方法と解釈していいですか?
>過剰投与もしくは極量を越えた使用方法と解釈していいですか?
そうではなくて,「内服薬を静注した」という方が近いと思います。
>「内服薬を静注した」という方が近いと思います。
かなり危険です。
尿素クリームは本来病変部位に塗布する薬剤です。
手荒れ等の予防的に使用することはまれです。
閉鎖という特殊な状態で使用されてはいますが、健常皮膚に対してこのような障害を及ぼす薬剤であるということは事実です。
>コントロールアームとして、ワセリン塗布にてODTした部分があればよかったのでしょうか?
熱傷創に対してワセリン塗布のODTが痛みを軽減する実績があります。
健常皮膚に対してなら何の皮膚変化もないだろうと考えます。
短絡的な発想かもしれませんが、、、
>閉鎖という特殊な状態で使用されてはいますが、
>健常皮膚に対してこのような障害を及ぼす薬剤であるということは事実です。
内服薬を点滴して,何か障害がおきたとします。その場合,その障害はその薬剤によるものだと言われたら,素直に信じますでしょうか。確かに薬のせいかもしれないけど,むしろ内服薬を点滴したからじゃないの? と疑問に思いませんか。
同様に,尿素クリームを閉鎖状態で使って何か障害がおきたとします。その場合,その障害はその薬剤によるものだといわれたら素直に信じますか(信じていらっしゃるようですが・・・)。確かに尿素クリームのせいかもしれないけど,むしろ閉鎖したからじゃないの? と疑問に思いませんか。実際,今� ��提示された写真は,閉鎖による副作用と思われる皮疹でした。
その疑問をはっきりさせるためには,内服薬は内服して調べてみればいいのです。
尿素クリームは,単純塗布して調べてみればいいのです。
なぜ,単純塗布して調べないのでしょうか。多分,単純塗布しても,何も悪いことは起きないからだと思います。
内服薬を静注することと健常皮膚にクリーム剤を塗布して閉鎖することが同レベルの危険性があるということは理解できました。
>同様に,尿素クリームを閉鎖状態で使って何か障害がおきたとします。その場合,その障害はその薬剤によるものだといわれたら素直に信じますか(信じていらっしゃるようですが・・・)。
当然 閉鎖したことによる障害が優位であると理解しております。
それだけ(薬効が強力で?)使用方法を慎重にしなければならない薬剤であるということも理解できました。
イソジンゲルのアルミホイル法、CVライン刺入部にイソジンゲルを塗布し(現在ではほとんど行われていませんが)フィルム剤でドレッシングすること等はどうでしょう か?
クリーム剤と消毒薬ではまったく意味合いが違うでしょうけど、、、
>内服薬を静注することと
>健常皮膚にクリーム剤を塗布して閉鎖することが
>同レベルの危険性があるということは理解できました。
危険性の話をしたわけではありませんので,誤解のないようにお願いします。
(たとえ話は誤解を招きやすいので難しいですね)
「想定されていない使用方法で使用した場合」におきてくる結果と,「通常の使用方法をした場合」でおきてくる結果とが一致するとは限らない,という意味です。純粋に実験モデルの問題点を指摘したつもりです。
尿素クリームが皮膚に悪いことを証明したいのであれば,「通常の使用方法をした場合」に障害がおきることを証明しなくてはならないということを言いたかったわけです。「尿素クリー� �は皮膚に悪い」という結論が先にあって,実験結果が結論に合うように,わざと害がでるような条件設定をするのは,科学的実験とはいえません。
>使用方法を慎重にしなければならない薬剤であるということも理解できました。
もし,患者さんに尿素クリームの使用方法を聞かれたら,「フィルムで覆うと副作用が出ることがありますので,単純塗布で使ってください」と指導してあげてください。そして,塗っていても効果が今ひとつであれば,夏井先生か,あるいは看護師さんの信用している皮膚科医の先生にかかるようにアドバイスしてあげるとよいかと思います。その際,「尿素は皮膚を溶かす破壊薬だ」とか,患者さんを不要な恐怖に陥れるようなことは言わないであげてください。
>イソジンゲルのアルミホ イル法、CVライン刺入部にイソジンゲルを塗布し(現在ではほとんど行われてい
>ませんが)フィルム剤でドレッシングすること等はどうでしょうか?
>クリーム剤と消毒薬ではまったく意味合いが違うでしょうけど、、、
確かに意味合いは違いますが,障害がおきたときに,すぐにそれが「イソジンゲルのせい」とは言い切れない点は同じだと思います。障害のおきた皮疹を見て,イソジンによる一次刺激性あるいはアレルギー性接触皮膚炎を疑わせる皮疹なのか,または例えばむれたことによる汗疹性湿疹なのか,あるいは毛嚢炎や伝染性膿痂疹なのか,正しい診断が必要だと思います。
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皮膚科医の立場から尿素クリームについて意見を言わせていただくと,私が診ている手湿疹の患者さんで,市販のハンドク� �ームが効いたという人は1人もいません。市販のハンドクリームでよくなっているほとんどの人は病院に来ないので,あたりまえです。市販のハンドクリームが皮膚を溶かす破壊薬であれば,私の患者さんもものすごく増えてくれてうれしいのですが・・・。(「尿素クリームが皮膚を溶かす破壊薬」説を流布してもらうと,不安に陥った患者さんが皮膚科に来てくれるので,患者集客には効果的かもしれません)
大人の受動攻撃的な行動
尿素クリームの人体実験で,フィルムで覆ったことについて批判されている先生がいらっしゃいますが,では,どう実験すればいいのか。フィルムで覆わずに塗布すればいいことは,子供にだってわかります。
例えば,両側の踵を実験部位にしてクリームを片側にだけ塗布する実験を計画したとします。
まず問題になるのが,どのくらいの期間やれば結果が得られるのか,そもそも違いが生じるのか,変化が生じるとしてどんな変化が起こるのか・・・という見通しが全くないことです。違いが出るかどうかがわからない状態で,毎日クリームを塗布する実験を続けるのはものすごい忍耐力を必要とします。1週間でも違いが出ず,2週間でも駄目となると,そこで止めるのか,� �っと続けるのか悩みます。見通しさえあれば続けられますが,見通しがない実験は苦痛でしかありません。まさにシジフォスの神話です。この状態で,皮膚にクリームを塗るという地味な実験を長期間行うのは,超人的な忍耐が必要です。私にはとてもできません。
要するに,ゴールがどこにあるのか,そもそもゴールがあるかどうかもわからないマラソンをあなたは走れるのか,というような心理状態になります。
しかし,変化が起こるかもしれない,こういう変化が起こるんじゃないだろうか,という見通しがあれば,数ヶ月の実験も苦痛ではなく,続けられます。
だから,高い濃度の薬剤を使うか,使用量を増やすかして変化が出るかどうかをまず実験するのが科学の常道です。高濃度のもので変化が出ることがわか� �ていれば,通常使用濃度のものでも長期間使えば変化を生じるかもしれないと予想がつき,実験を頑張って続けられます。
ところが,クリームを踵に塗ってみるとわかりますが,靴下につきます。靴下にくっついた目減り分を考えると多めに塗りたくなりますが,今度はヌルヌルする靴下が不愉快です。当然,ラップかフィルムで覆うことを思いつきます。となると,対照部位である対側のかかともラップで覆わなければいけません。
もちろん,本来なら「クリームを塗ってラップで覆った踵」,「ラップのみの踵」,「裸のままの踵」の3つの踵で比較すべきですが,残念なことに踵は二つしかありません。
クリームや軟膏を塗布する実験を日常業務をこなしながら行う場合,衣服にくっつくという問題は常に付きまといます。これを避けるには露出部,つまり顔面か両手を選ぶしかありませんが,心理� ��には顔は避けたいので,手で実験ということになります。ところが手の場合には,外来診療の際には頻回に洗う必要があり,その都度,クリームを塗布しな直さなければならず,かなり煩雑です。当然,クリームを塗布してフィルムで覆いたくなってきます。私が手を一日一度も洗わなくてもいい職業だったら,フィルムで覆わない実験が可能でしょうが・・・。
また,人体実験の歴史を書いた『自分の体で実験したい』でも指摘されていますが,実験者の心理は大きなバイアスになります。予備実験である程度の見通しが立っている場合,自分の体を犠牲にするのだからそういう結果が出て欲しい,と思いながら実験するからです。もちろん,私もそういう心理状態にありながら実験をしています。このバイアスを完全になくすことは,恐らく不可能です。また,痛みなどの症状は私にだけ特異的に出現している可能性もあります。
この種のバイアスをなるべく少なくするには,人体実験をする人間を増やすしかありません。私の実験を批判する先生ご自身が,自分の体で実験すればいいのです。実験そのものは簡単ですから,すぐにできま す。そうやって初めて,普遍的な結論が得られます。
いずれにしても,私の実験結果をああでもない,こうでもないと議論するより,まず自分で実験してください。そうでなければ,私の実験が正しいと思われてしまい,それは極めて危険なことであり,私の本意ではありません。
というか,こういう実験は本来,皮膚科の先生方が率先して行うべきものではないかと思います。メーカーの効能書きに書かれている効果が本当にあるのか,痛みなどの副作用はないのかは,それこそ日本皮膚科学会が会員に実験を呼びかければ1週間足らずで結果が出るはずです。
私のような専門家でもない医者がない知恵を振り絞って不細工な実験をするよりは,皮膚のことを知りぬいた先生方がエレガントな実験法を考案した方が,よほど優� ��た結果が出るのではないでしょうか。
どうしてそこまで尿素クリームが皮膚に悪いと言いたいのかがよくわかりません。
尿素クリームはそんなに害があるものではありません。
- 尿素クリームはそんなに害があるものではない。
- 尿素クリームでよくなる人もいれば,尿素クリームが効かない人もいる。
Terry先生
まったく皮膚には素人の小児科医です。
魚鱗癬の患者さんに尿素クリームが必要であるのと保湿剤として尿素クリームが有害かはまったく別問題だと思います。抗癌剤は副反応があるが癌の人には必要である。しかし、癌でない人に使用すべきではないのと同じではないでしょうか。もし 5-FU入りのサプリメントがあれば危険な物を飲むなと言うでしょう。
>・尿素クリームはそんなに害があるものではない。
>・尿素クリームでよくなる人もいれば,尿素クリームが効かない人もいる。
というのも、
- セフェムはそんなに害があるものではない。
- セフェムが効く咽頭発赤のある発熱患者もあれば効かない咽頭発赤発熱患者もいる
さらに主婦の手荒れでですが、こどもを連れてこられた母の手を見て、ワセリン塗布後吹き上げ法をその場で実際に指導しだしたところ、例外無しにきれいになっています。特にヒドい手荒れにお母さんに効くとハンドクリーム、尿素クリーム、液体絆創膏などを使ってもまったく効果がない、また、痛いだけという話を聞いています。ちなみに手荒れで医療機関を受診したという話はほとんど聞きません。少なくとも、尿素含有クリームが保湿剤として有用であるとは思えません。
> どうしてそこまで尿素クリームが皮膚に悪いと言いたいのかがよくわかりません。
どうしてそこまで尿素クリームが皮膚に悪くないといいたいのか,よくわかりません。なぜそこまで尿素クリームを擁護するのでしょうか?
Terry先生の周囲には,「手荒れの予防に尿素入りハンドクリームを毎日使っている」⇒「手が荒れてきた」⇒「もっと念入りにハンドクリームを塗る」⇒「もっと悪くなる」・・・という人がいませんか?
pardumうつ病を投稿する
先生がこういう人を一人も見たことがないというのでしたら「尿素入りクリームは有害だ」という考えは浮かばないかもしれませんが,こういう人が一人でもいたら,もしかしたら尿素クリームが手荒れの悪化要因ではないかと考えるのは自然ですし,もしかしたら発生要因でないだろうか,という可能性だって頭に浮かぶはずです。
疑わしきは罰せず,ではなく,疑わしきは疑ってみる,それを実験で実証できないかと考えるのは,科学者の端くれならむしろ当然の行為だと思います。
湖族の小児科医先生
コメントありがとうございます。
適応症の問題とは切り離して考えてください。魚鱗癬の話を出したのは混乱の元になってしまったようです。ごめんなさい。
たとえ話は誤解を生じやすいので問題なのですが,セフェム系の抗生剤のたとえ話をつかうと・・・
先生が,肺炎にセフゾンだけ使う小児科からの紹介患者だけ診ていたとします。先生のところに送られてくる肺炎患者はセフゾンで治るどころか,悪化した患者ばっかりです。そこで,先生は「セフゾンなんて肺炎を悪化させるばかりの毒薬だ」と思い込み,自分でセフゾンを飲んでみます。ところが,何も悪いことは起きません。そこで,セフゾンを点滴してみたら,発疹がでできました。そらみ たことか,セフゾンはやはり毒薬だと結論したとします。
おかしくありませんか?
夏井先生がやってらっしゃる実験はそんな感じなので,それは科学的はないと申し上げたのです。
尿素クリームはそんなに害がある薬ではありませんので,害があるというデータを出そうと思ったらどうしたって無理がでてきます。
湖族の小児科医先生は,手あれがひどくないお母さんに,どんなハンドクリームを使っているかお尋ねになってみるといいと思います。少し誤解が解けるかもしれません。
Terry先生 たとえ話はだんだんおかしくなるので やめましょう。
確かに小児科って、来院する母親にかんしては、一般と同じであり、母集団として最適だと思われます。
手のきれいなお母さんに聞いてみて、尿素含有軟膏で手荒れが治った人がいるかどうか聞いてきます。元々きれいな肌に尿素含有軟膏を塗って変化がない方もいるかどうか聞いてみます。
ますます、診療時間が長くなり一銭ももらえずつぶクリへの道まっしぐらですが、真実が解ればそれで満足です。
夏井先生
>こういう人が一人でもいたら,もしかしたら尿素クリームが手荒れの悪化要因ではないかと考えるのは自然ですし,もしかしたら発生要因でないだろうか,という可能性だって頭に浮かぶはずです。
確かに仮説を立てることは大事です。でも,だからといって非科学的な実験で,自分の思ったとおりの結論を引き出すことは,科学の世界では許されないと思います。
この場合,実験モデルとしては,毎日尿素軟膏を手洗いの度につけ続けるという実験しかないと思います。もし,先生の根気が続かないようであれば,過去に尿素クリームを根気強くつけ続けた人たちの記録が Medline にありますので,そういう記録を読まれてみるとよいかもしれません。
湖族の小児科医先生
>手のきれいなお母さんに聞いてみて、尿素含有軟膏で手荒れが治った人がいるかどうか聞いてきます
これはとても信頼できるデータが取れそうですね。楽しみです。せっかくするのであれば,症状について客観的に評価するとよいと思います。例えば,鱗屑,紅斑,角化,亀裂等,評価する項目を決めて,自分のできる範囲で定量化してデータを取ると,科学的データになると思います。
おもしろそうなので,私もちょっとやってみたいと思います。
>どうしてそこまで尿素クリームが皮膚に悪くないといいたいのか,よくわかりません。なぜそこまで尿素クリームを擁護するのでしょうか?
この一文,読み飛ばして いました。私は尿素クリームを擁護しているつもりは全くありません。本当は尿素クリームは皮膚に悪いのかもしれません。
ただ,少なくとも夏井先生の実験は,尿素クリームが皮膚に悪いという根拠にはなりません。そういう非科学的な結論に対して,非科学的だと指摘しているだけです。
私自身は,今まで蓄積されたデータや私の臨床経験から,尿素クリームはそんなに悪さはしないと判断しています
早速やってみました。午前中のデータ4人分です。
鱗屑(S),紅斑(E),角化(K),亀裂(F)について,
なし(0),軽度(1),中等度(2),重度(3)で評価することにしました。
受診順(*は尿素が入っているかどうか不明)
41歳女性 20%尿素入りハンドクリーム使用 S0, E0, K0, F0
5歳児のお母様 ハンドクリーム使用していない S1, E0, K1, F0
60歳女性 アロエ軟膏(*)使用 S0, E0, K0, F0
19歳女性 Q10ハンドクリーム(*)使用 S0, E0, K0, F
いまさらかもしれませんが・・・
足裏のガサガサが気になっていた彼女にこの冬の間ずっと片の足裏にはワセリン、もう片方の足裏には20%尿素入りクリームを塗るという比較実験をしてもらっていました。
具体的には、夜、シャワーを浴びた後にワセリンとクリームを塗り分け、ヌルヌルが気になるためそのまま靴下を履いて寝る、ということをしてきたのですが、一週間もしないで違いが出てきました。
【およそ2週間後にシャワーを浴びてからの感想】
- ワセリン側 ・・・肌感はしっとり、柔らかくなりました。白っぽさもとれて見た目もキレイに。
- 尿素入りクリーム・・・塗った直後はワセリンよりもしっとりサラサラしますが、シャワーを浴びた後はガサガサと白っぽさは消えていませんでした。
期間もあいまいで、毎日正確に実験を続けられなかったのと、特に証拠となる画像などがないことから実験と呼ぶにはほど遠いものですが、少なくとも実際比べてみた彼女はワセリンの方が足の裏がきれいになったと実感したようです。
保湿の点ではワセリンの方が効果があるようなので、このクリーム、どんなとこに使えばいいのかな・・・とふと尿素入りクリームの効能をみていて思ったのですが、肌荒れの程度の分類がわかりません。
「硬い皮膚、荒れた手指の治療薬」という名目の20%尿素入りクリーム剤実際肌荒れが気になる頃には角質層が固くなったり、ひび割れもできてしまう気がするのですが、その状態では使用しないように、ということですよね?
●効能:手指の荒れ、ひじ、膝、かかとの角化症、老人の乾皮症など。
●ご注意:目の周り、粘膜等、ひっかき傷周辺、またひび割れ、ただれ部位には使用しないでください。
ほぼ健康な状態での予防的使用ということになるのかな・・・混乱してきました。
>期間もあいまいで、毎日正確に実験を続けられなかったのと、特に証拠となる画像などがないこと
>から実験と呼ぶにはほど遠いものですが、少なくとも実際比べてみた彼女はワセリンの方が足の裏が
>きれいになったと実感したようです。
いえいえ,これはワセリンの優位性を示唆する立派な実験ですよ。
この実験から言えるのは,「ワセリンが尿素クリームより効果があった」ということです。北国のナース様は,論理の飛躍を避けて,きちんと結論を認識していらっしゃると思います。
>実際肌荒れが気になる頃には角質層が固くなったり、ひび割れもできてしまう気がするのですが、
>その状態では使用しないように、ということですよね?
>ほぼ健康な 状態での予防的使用ということになるのかな
正しい指摘だと思います。角質層が固くなるくらいだと大丈夫だと思いますが,ひび割れができてしまうくらいになると尿素クリームではもう手に負えないかもしれません。ハンドクリームで対処できる範囲は,ワセリンに比べるとずっと狭いと思います。効果の面でも,適応範囲の広さでも,ワセリンが勝ってると思います。
20%尿素入りハンドクリーム使っている方が1人増えました。手はきれいでした。今のところまだ2人ですけれど,お2人とも皮膚が溶けて破壊されている様子はありませんでした。
引き続き聞いてみます。
過去に尿素クリームを根気強くつけ続けた人の記録を Medline で調べてみました。少なくとも「皮膚が溶けて破壊された」という記載はみつけられませんでした。
副作用の記載がアブストラクトにあった論文
Buraczewska et al. Changes in skin barrier function following long-term treatment with moisturizers, a randomized controlled trial. Br J Dermatol 2007;156:492-8.
5%尿素クリームを7週間つけた。non irritant であった。(irritant;刺激性)
Lode'n M, et al. A double-blind study comparing the effect of glycerin and urea on dry, eczematous skin in atopic patients. Acta Derm Venereol 2002;82:45-7.
20%グリセリンクリームと4%尿素クリームを30日間つけた。ひりひり感(a sharp local superficial sensation)が,尿素外用群で 24%,グリセリン外用群で10%にみられた。
Serup J. A double-blind comparison of two creams containing urea as the active ingredient. Assessment of efficacy and side-effects by non-invasive techniques and a clinical scoring scheme. Acta Derm Venereol Suppl 1992;177:34-43.
3%と10%尿素クリームを3週間つけた。バリアの破壊や炎症をおこすような尿素の刺激作用はみられなかった。
今回,改めて尿素クリームについていろいろ調べたのですが,勉強不足を自覚させられました。引き続き患者さんからの聞き取り調査を続けながら,勉強を続けたいと思います。夏井先生の人体実験の結果や, 湖族の小児科医先生の報告も期待しています。
尿素クリームは肌荒れでも、ワセリンのような保湿効果(荒れた皮膚を保護する)を目的に使用するのでなく、硬く乾燥した角質を溶かしてすべすべにすることを目的に使用すれば、非常に分厚い角質には不十分とは感じることはあっても、肌荒れが悪化したとは感じないと思います。
同じ肌荒れに対する使用でも、ワセリンとは使用目的が異なるということです。
硬い角質と荒れたところがある場合には、ワセリン(プロペト)で荒れを改善した後、硬いところに尿素クリームを使用すれば、ひりひりや肌荒れの悪化は防げます。
>北国のナース様
かかとのかさかさには、風呂上りにワセリンを塗ってから、ラップでおおい、その上から短い靴下をはいて寝ると、ひと晩かふた晩でつ るつるになります。ただし、滑らないように注意する必要があります。
私自身は手荒れに対し、以前にいろいろ試した後にニベアクリームに落ち着き、これが最終結論!と思っていた時期がありました。ニベアを塗った手でコップを持ち、その後水を飲んだところ、唇にピリピリという刺激を感じました。
ちょうどそのころは、アジ化ナトリウムなどの異物混入がニュースになっていた時期で、「すわっ、異物混入か!」と真剣に思い、店の人に「水がおかしい」と言おうと思った寸前に、手にクリームを塗っていたことを思い出した経験があります。
石鹸などを皮膚の荒れたところ、粘膜面などに塗った場合も、同様なピリピリした刺激があり、薬剤よりも、クリームおよび界面活性剤による刺激なのかなと思っています。
もちろん、最近は肌荒れ(手やかかと)にはプロペトやプラスチベースを使用しています。
●Terry先生、Y2先生
そうなんです。
結局、尿素系クリームの使いどころが難しいというか、選択幅が少ない気がします。
かかとが角質化して、尿素クリームを塗ってみたら、痛かった。
「あ、深いところまでひび割れてしまっていたのか・・・(苦笑)」
っていうことがあったりして。
だったら痛い思いをしないワセリンでいいんじゃないかって思うことが多いです。
あとは治る早さだなーと思って彼女に試してもらっていました。
>硬い角質と荒れたところがある場合には、ワセリン(プロペト)で荒れを改善した後、硬いところに尿素クリームを使用すれば、ひりひりや肌荒れの悪化は防げます。
すっかり角質化して(しかもひび割れのな� ��)しまったかかとに対しては尿素系のがいい場合もあるんでしょうかね。
●Y2先生
ええ、ほんとに(笑)
ラップだとずれてしまうので、「未滅菌グローブを足に装着」して靴下を履いてもらったこともあったのですが、ばっちりヌルヌルして滑ってました。(笑)寝る前にきちんとトイレを済ましてから履くべきですね。
<北国のナース様
足の裏のガサガサに対する、ワセリン+ラップのコツ(かどうかわかりませんが)は、足の裏全体にワセリン+ラップを貼るのではなく、土踏まずから後ろ(または前)のいうように、1回当たりには足の半分ずつに貼ることです。ずれにくいように大きめに貼ると蒸れるので、私は10センチ四方で貼っています。
夜中にトイレに行くときは、爪先立ちで歩けばよいのです。
テープ固定はあえてしません。翌朝には、ずれてかかと付近でくしゃくしゃになっていますが、蒸れすぎなくてちょうどよいくらいです。
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